2050年ビジョン

カーボン
ニュートラルの
実現に向けて

カーボンニュートラル
モデル工場構想

当社川崎工場は太平洋セメントグループの一員として、
カーボンニュートラル(CN)化の実現に向け、準備を始めています。
太平洋セメント社は2050年のCN実現に向け、
2030年までにCO2分離回収と利用に係る
革新技術の開発を完了させる計画を掲げており、
当社川崎工場においてCO2分離回収、
利用から貯留までを実機レベルで検証する
「カーボンニュートラルモデル工場」の検討に着手しています。
具体的には太平洋セメント社で開発した
世界初となるCO2回収型セメントキルン(C2SPキルン)を
川崎工場に実証設備として設置します。

また、川崎市は2022年に川崎臨海部CNコンビナート構想を公表し、
協議会を立ち上げました。
これは川崎市の強力なリーダーシップで
地域ぐるみでCNを実現する構想です。

デイ・シイ川崎工場は、日本有数の工業地帯である
川崎臨海部に位置する国内唯一の都市型セメント工場です。
CNモデル工場構想を具現化するためには、
革新技術の開発とともにC2SPキルンで回収した
CO2の利用・貯留に際しては、近隣企業との連携が不可欠となるため、
周辺自治体・企業などの関係各所と意見交換を積極的に進めながら、
CNモデル工場構想の検討ならびに2050年のCN実現を目指し、
全力で取り組んで参ります。

2030
中間目標

カーボンニュートラル方策 決定

2050
最終目標

都市型湾岸スマート工場の実現(= カーボンニュートラルの実現)

2000年比サプライチェーン全体で、CO2排出原単位100%削減

太平洋セメント社のCN実現に向けた
革新技術の取組み概要
CNモデル工場のイメージ図
INITIATIVES

環境への取り組み

低炭素社会形成への取り組み

製鉄所で鉄鉱石を溶融・還元する際に発生する高炉スラグを使用することにより、セメントの製造工程で発生するCO2排出量の低減とセメントの主原料である石灰石資源の使用数量を抑制することができます。
当社川崎工場では、このスラグを利用して省資源、省エネルギー型の高炉セメントの製造を1929年より開始しており、その歴史は95年に及びます。
この蓄積したノウハウに基づき、環境配慮型のスラグ関連製品の製造・販売に引き続き注力してまいります。
また、川崎工場では2015年4月より天然ガスによる発電設備(システム出力7,800kw)を設置し発電を開始しました。天然ガスはクリーンエネルギーであるとともにCO2、NOx、SOxの排出量も少なく、電力費の低減はもちろんのこと、夏場の電力制約期間における電力不足による製造の機会損失回避もできるものと期待しています。

天然ガス発電設備

さらに、2014年にメガソーラーを栃木県(出力1,500kw)と、千葉県(出力1,000kw)に設置し、
2015年9月、川崎工場の廃棄物処理建屋の屋上に太陽光パネル(出力416.5kw)を設置しました。
今後も、クリーンな再生可能エネルギーの活用に取り組んでまいります。

太陽光発電設備

循環型社会構築への取り組み

当社川崎工場は「浅野セメント川崎工場」の操業開始から100有余年、最大の消費地であると同時に、多量の廃棄物排出地である首都圏を事業基盤としている日本で唯一の都市型セメント工場です。
かねてより企業や自治体などの近隣地域から発生する産業廃棄物、副産物および廃プラスチック等を代替原燃料として利用を進めており、2014年には、今まで処理が困難であった含水率の高い汚泥についても、セメントの原燃料化が図れる設備を設置するなど、循環型社会構築の先駆者としての歩みを更に進めています。

廃プラスチックの投入